予約台帳アプリの使い勝手、メリットとは?

リクルートライフスタイルが開発・運営する予約台帳アプリ「レストランボード」が好調だ。16年11月に販売開始した有料版のサービス契約店舗数は17年3月時点で1万件を超えている。なぜこんなに人気なのか。集客と店舗運営の効率アップのために「レストランボード」を活用している3店舗を訪ね、使い勝手とメリットを聞いた。

■毎日入るネット予約。メッセージ配信で閑散期の集客にも期待

1階、中2階に128席。ボックス席、半個室席、カップル席など選択肢も豊富だ
新橋駅から歩いてすぐの大箱店
前川誉彰店長

新橋駅界隈は、東京でも屈指の居酒屋激戦区。“サラリーマンの聖地”とも呼ばれ、チェーン店から個性を競う人気店、昼から飲める立ち飲み店などが、駅ビルから裏路地にいたるまで、びっしりひしめいている。
この激戦区にシーフードレストン「FISHERMAN’S BAR(フィッシャーマンズ・バル)」が参入したのは2015年1月。産地直送の牡蠣・蟹・海老を多彩な調理法で提供する110坪、128席の大箱店だ。運営は首都圏に和食を中心にして11店舗を展開する共立フーズサービス。
母体がしっかりしているので魚介の素材と提供価格には自信がある。一度でも来店していただければ、当店の価値は理解していただけるはず」と話すのは、前川誉彰店長である。
ただ、ビル地下の大箱店なので、一見客はあまり期待できない。そこで開店当初から各種のグルメサイトと契約し、集客に力を入れた。さらに、大小の宴会を中心にしたリピーター獲得のために活用してきたのが「レストランボード」である。
従来、紙ベースで運用してきた予約台帳は、メモの書き間違えや紛失、予約台帳への転記ミスなどが多かった。
『レストランボード』は、電話しながら片手で予約の登録が可能で、ミスも減った。開店後は、紙に刷りだした予約台帳を従業員が確認しながら、的確なサービスができる」(前川店長)
予約サイトと連携してネット経由の予約も自動的に受付可能なので、利用客の利便性も向上。営業時間前に確認すると、時間外の予約が毎日2~3件は入っているという。営業時間内のネット予約も増えたので、電話対応もそのぶん減り、スタッフがサービスに集中できるのも利点だ。

米国から空輸したダンジネス・クラブが名物

16年12月には自動の「メール配信」機能が使える有料パックも導入した。「試しに1月向けに無料クーポン付きメールを配信したら、月間5人の再来店を獲得。あまり期待していなかったので、その効果に驚いた」(前川店長)
そこで今後は、閑散期の17年2月、8月とオフィス街の閑散期である5月に「レストランボード」からメールを配信し、売上アップを図る。現状の月商1000万円を、目標の1150万円に引き上げるために活用する考えだ。
△「FISHERMAN’S BAR(フィッシャーマンズ・バル)」東京都港区新橋2-9-4 乾盃ビル B1F

 


■予約登録作業を効率化。グループ店の空席を即時照会して予約獲得

地下の店内はまさに隠れ家の雰囲気
寺内亮・統括本部長
寺内亮・統括本部長

ミッドタウン、ヒルズで六本木も変わった。両施設がにぎわう一方、飯倉交差点方面の街の凋落ぶりには驚く。そんな中、昔も今も穴場的なエリアが溜池方面。六本木交差点から六本木通りを下り、俳優座を過ぎてすぐ左手ビルの半地下に、2015年12月に開店した「アサドール・エルシエロ」は知る人ぞ知る隠れ家レストランだ。
特徴的なのはパーティ利用。「立地と店内レイアウトもあって、メインの客層は団体の予約客。毎週末は貸し切りパーティも頻繁にあり、平日も予約客のほうが多い」と話すのは運営会社PBJapanの寺山亮・統括本部長である。
同店では、開店当初から立地を意識して「レストランボード」の予約管理機能を活用してきた。同店の近隣には、個室席を看板にしたグループ店の「MOMENT」があり、3つのビル内にカラオケ&パーティスペース、テラスBBQスペース、貸切パーティスペース&ラウンジを展開している。同店と「MOMENT」はスタッフやメニューもほぼ一体の形で運営され、合計で約180席のパーティ席を提供可能だ。寺山さんは、その全体を統括する。
営業時間外の予約電話は私に転送されるので、1日に20~30本受けることも。4つの店舗の予約状況を管理画面で即座に確認し、電話しながら予約登録が完了。紙の時代には不可能だった効率的で、ミスの少ない作業ができる」(寺山統括本部長)
ある店に入った予約を、ほかの店に振り分けることも多く、その場合の成約率も高いという。最近はネット予約が全体の3割程度を占めるようになったので、登録作業もさらに楽になった。
店舗の現場では「レストランボード」の顧客管理台帳を活用し、予約客の来店履歴や前回接客者のメモなどを参照した上で、よりレベルの高い接客を目指している。
その集大成が16年11月に中目黒高架下に開店した姉妹店「アサドール・デル・プラド」。開店時から「レストランボード」を導入し、これまでのノウハウを使い運用した効果もあり、16年12月には月商1500万円の目標を達成。寺山さんは今後も「レストランボード」を活用し、接客のレベルアップに取り組む。
△「アサドール・エルシエロ」東京戸港区六本木4-8-5和幸ビル地下1階

看板はスペイン製炭火焼マシン「ジャスパー」で焼くグリル料理(写真提供:PBJapan)


■「即予約」への対応でネット予約が8割に。HP更新も手間要らず

ヨドバシ裏の名物店
三治公二副店長

ヨドバシ裏と呼ばれる吉祥寺駅北口側の一帯は昔からよく知られた吉祥寺きっての歓楽街。個性の強い居酒屋が多く、ここ「島人&海人 吉祥寺店」は、そんな名物店の一つだ。この地で10年以上の歴史を持ち、夕方17時から朝8時までのノンストップ営業も、利用客に頼りにされている。
練馬に本店を置く「海人」グループの一員ながら、各店は独立採算の形をとり、遅番の店長が代表取締役社長、早番の三治公二副店長は販促、IT担当の取締役といった役割で店舗を運営している。
同店が「レストランボード」を本格的に使うようになったのは16年10月頃から。「『即予約』の需要が多くなっていると聞き、対応すると決めた」(三治副店長)ためだ。
従来は、ネットで予約を受け付け、電話かメールで確定連絡する「リクエスト予約」にしか対応していなかった。予約受付は前々日から、人数も4名からだった。ネットの申込だけで予約が完結する「即予約」に対応後は、当日の来店2時間前から予約を受け付け、人数も2名からとした。その結果、年末年始のネット予約は従来の約2倍に急増。17年2月末現在、ネット予約は全体の8割をしめている。「電話の予約を含めてすべての予約を『レストランボード』に登録し、予約重複を防いでいる。自動的に登録されるネット予約が多いので、紙の台帳時代よりも、管理がずっと楽になった」(三治副店長)
16年11月から導入したのが有料機能の「ホームページ作成機能」「メッセージ配信機能」。手始めに、お店のホームページを立ち上げ、そちらからもネット予約ができるようにした。
これまでホームページを作らなかったのは、頻繁に更新する時間がなかったから。更新していないホームページを見た人に『この店、大丈夫なのか?』と思われかねない」(三治副店長)
その点、「ホームページ作成機能」を使えば、ホットペッパーグルメと連携して自動更新されるので、手間をかけずに、アクティブな印象を保てる。「メッセージ配信機能」は、17年春の歓送迎会シーズンから使い始める予定だ。「街に遊び来た人が多く、吉祥寺の客層はつかみにくい。今後は、攻めの集客を試したい」(三治副店長)という狙いで、各種クーポンやキャンペーンの企画を練っている。
▽「島人&海人 吉祥寺店」東京都武蔵野市吉祥寺1-22-9

泡盛は希少な「忠孝」「泡波」を含め48種類。那覇の有名店と提携し、直送の自家製麺とスープを使った沖縄そばの味も自慢だ

■「レストランボード」とは?
iPadで運用する無料の予約台帳管理アプリ。ホットペッパーグルメ経由の予約をネットで自動受付。電話予約も登録して一元管理。情報は顧客台帳で管理し、接客のレベルアップも。有料機能を契約(年間契約で月額利用料1.8万円/1店舗)すれば「メッセージ配信機能」「ホームページ作成機能」「ネット広告配信機能」等が利用できる。問い合わせはhttp://airregi.jp/restaurant-board/

※この記事は2017年3月の取材記事(「日本外食新聞」に掲載)を一部修正、転載したものです。